皆さん、「PET BLESSING」と言う宗教的儀式をご存知ですか?
犬や猫などのペットのための教会で行う祝福式のことです。
「PET BLESSING」のことを知ったのは12年前にワーキングホリデーでバンクーバーに行った時のこと。
ノースバンクーバーにある教会でペットと祝福式を見る機会がありました。
主に犬や猫を連れてきて洗礼を受けていました。
教会の神父が順番にペットたちの額に聖水をつけていくんです。
人間で言うところの洗礼になるのかな?
家族の一員であるペットたちにも祝福を与えてもらっている光景に心が和みました。
後で知ったのですが、世界各国でやっているそうです。
今回は「PET BLESSING」について迫っていきます。
目次
世界動物デーにPET BLESSING

今年の10月6日にフィリピンのマニラで100匹以上のペットたちが司祭から祝福を受けていました。
ペットを連れて参列する飼い主たち。
次から次へと聖水をかける司祭。
毎年10月初旬に飼い主たちが集っていますが、10月4日の世界動物の日と聖フランチェスコの生誕日をちなんで祝福式が行われています。
世界各国でも10月4日に近い日に動物たちが祝福を受けているんです。
こんなに大勢の人たちが我が家のペットを連れてきている光景は初めてですね。
また、別の時期に祝福式が行われているケースもあります。
私がバンクーバーで見た祝福式は4月ごろでした。
世界動物デーと聖フランチェスコとの関係は?
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世界動物デーは1932年にイタリアのフィレンツェで動物愛護と保護のために制定されました。
そして10月4日の聖フランチェスコの誕生日に選ばれたんです。
これを機に世界中で動物愛護の活動やイベントが行われるようになりました。
イタリア各地でも10月4日に近い日曜日に多くの動物たちが祝福式に参列しているようですね。
聖フランチェスコとは?
聖フランチェスコはイタリアのアッシジの修道士です。
小鳥に説教したという伝説を持っているフランチェスコは動物守護の聖人として有名で、あらゆる動物たちと心を通わせていたと伝えられています。
もともと裕福な商人の息子で元の洗礼名は「ジョバンニ」でしだが、のちに「フランチェスコ」に変わりました。
理由はフランスで商取引をしていた父親がフランス好き、母親がフランス人、フランチェスコ自身がフランスの歌が好きだったとか諸説があります。
若い頃に戦いで捕虜になり病気までなって帰ってきたときに神の啓示を受け、教会の建て直しに奔走しました。
そして自ら貧困生活に身を置き、托鉢を受けて貧しい人や病人のために働きました。
弱き者のための奉仕活動が動物への慈愛に繋がったのかもしれませんね。
彼が人も動物も神の前では兄弟姉妹であり、平等であると説きました。
動物愛護の精神がフランチェスコの教えから来ているんですね。
どんな動物でも祝福は受けれるか?

祝福を受けているのは家庭のペットだけじゃなく、農業の家畜まで受けている写真も見かけました。
それがなんと馬やロバまでも!
他に鳥や爬虫類も連れてきていました。
神の創られたものは皆祝福を受けるべきというフランチェスコの教えを実行していますね。
もう一人の動物の守護聖人
今年の1月17日にスペインのマドリードでは「アントニオ祭」が開催されました。
こちらでも聖アントニオの日を祝ってペットたちが司祭に祝福を受けています。
メキシコやイタリアでもこの日はペットや家畜たちが長蛇の列を作っています。
この聖アントニオという人も動物の守護聖人なんです。
捨てられた犬や猫を保護して食べ物を与えたことから毎年祝福式が行われています。
動画を探してみたら2018年の聖アントニオ祭のものが見つかったのでご覧になって下さい♪
ハワイでもやってるPET BLESSING
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日本の教会ではペットに祝福を与える儀式があるか探してみたが、残念ながら確認できませんでした。
その代わりハワイのカリヒ地区にある金比羅神社・ハワイ太宰府天満宮ではペットの無病息災と家内安全を祈願する「茅の輪くぐり」の催し事があるとわかりました!
これが毎年6月に地元の人たちがペットの健康を願って訪れています。
ハワイで神聖な植物とされているティーリーフで作った大きな輪を飼い主と並んでくぐっています。
まとめ
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海外で「PET BLESSING」の儀式が毎年行われていることを考えると、「ペットも家族の一員」という意識の高さを改めて感じさせられました。
日本でもペットを大切にする傾向が高まりつつありますが、無責任な飼い方で殺処分という悲しいケースが未だにあります。
「PET BLESSING」を見てペットとの関わり方を見つめ直してほしいと思います。
動物愛護の礎はキリスト教から始まり、それがやがて宗教を超えて私たちの精神に根付くようになったのは凄いことですね!
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