出典:isansouzoku-guide.jp


私はオンライン日本語講師の仕事で毎日外国人の生徒さんとお話をするのですが、
今日は養子縁組の話で盛り上がりました。
日本と外国では養子縁組についての考え方がずいぶん違います。
どれほどの違いがあるかを私が見聞きしたことを参考に海外の養子縁組について記事を書いていこうと思います。
フランス人の場合
アメリカ人の教え子のいとこのフランス人には、3人の子供がいました。
そして更に、エチオピア人の黒人の子どもとハイチの黒人の子供を養子として迎えました。
そしてエチオピア人の男の子はきちんと仕事もして立派に育ちましたが、
ハイチ出身の男の子は極度の自閉症で社会生活に支障をきたし入院を余儀なくされてしまいました。
そしてフランスの法律では、このような病院に入院することは大変難しいという現実があります。
高額な入院費を負担できる人、もしくは片親で生活力のない人しかこのような病院には入れません。
そして彼女の取った決断は自殺することでした。
彼女は養子として引き取った男の子を入院させるために、自殺しました。
いったい何のために養子を引き取ったのでしょうか?
自分の産んだ子を犠牲にしているとしか思えない行為です。
彼女は教会から、養子縁組の話を持ち掛けられて、ココロの広い明るい人だったので、この話を受け入れ、当時6歳のハイチ人の子供を養子として引き取りました。
でも、自閉症の子供を救うためとはいえ、自殺した時、残された自分の子供はまだ高校生と大学生だったそうなので、本当にかわいそうな話です。
アメリカ人の場合
私がアメリカのアイオワ州にファームステイしていた時のお話です。
その時に出会った白人のアメリカ人女性は、韓国人の耳の聞こえない双子を引き取って育てていました。
「肌の色が違う、耳の聞こえない子供を育てるのはどんなに大変だろう??」って強く印象に残りました。
自分の産んだ子でもきちんと育てていくのは大変なのに、まして自分の子でもない子供に愛情を注げるって凄いな~と感心しました。
「白人は肌の色が違う子供も養子にすることがあるけれど、アジア人は養子をもらう際はアジア人の子供に限定する」と台湾人の生徒が言ってました。
ヨーロッパは経済的に余裕がある人は養子縁組を積極的にするようですね。
アメリカ人の場合
私の生徒の知り合いの話です。
彼女は、赤ちゃんの時に子供のいない老夫婦の家に養子として迎えられました。
自分の馬を飼ってもらったり、海外旅行にバンバン連れて行ってもらったり、最高の環境を与えられ、欲しいものは全て買ってもらえる恵まれた環境で育ちました。
ですが、ものココロ着いてから、自分の兄弟姉妹をネットで探し始めます。
最近はインターネットで養子として育った子供が実の親や兄弟姉妹を探すケースが続出しています。
そして、例外にもれず、彼女も実母や兄弟姉妹を探し当てます。
でも非常にがっかりな結末を迎えます。
自分の生まれた家庭はとても貧乏で実兄と実姉とは考え方があまりに違っており、仲良くなれることはありませんでした。
お金をねだられたり、嫉妬されたり、さんざんな経験をし自分のルーツを知ってしばらくは絶望していたようです。
ですが、改めて兄弟姉妹と自分を比較して、養子として育った自分の境遇に感謝して生きれるようになったので、結果は良かったようですが、見たくない現実を見てしまってしばらくは後悔していたようでした。
韓国人の場合
私の生徒の韓国人は赤ちゃんの時、養子としてオーストラリア人の夫婦に引き取られました。
彼は、今はX線技師として働いています。ですが、彼も実のお母さんを訪ねて韓国を訪れたと言っていました。
お金がなくてシングルマザーだった母親は彼を養子に出したそうです。
彼に出会った時、養子に出したことを詫びてあやまったそうです。
「実母は自分に顔や雰囲気がそっくりだった」と言っていました。
彼は、「彼女はいるけど、絶対に結婚しないし、子供も一生欲しくない」と言ってました。
理由はよくわからないですが、結婚生活には憧れがないようでした。
オーストラリアでは、インドネシア人の子供と一緒に兄弟として育ったそうです。
まとめ
日本人は養子縁組について開かれた考えは持っていません。
なかなか養子を引き取るという気持ちにはならないようです。
私もまったく養子を引き取るという感覚は自分のなかにはありません。
ですが、普通にオーストラリア人やアメリカ人やカナダ人、ヨーロッパの人は、子供を授かれなかったら
養子をもらおう、という発想になるので、日本人とは違うな~って思わずには入れません。
世界には恵まれない子供たちが沢山います。ですから養子を引き取るというは、お互いにとって幸せだから良い事だと思いますが、
自分が養子を迎えるのは絶対に嫌です。理由は自信がまったくないから。
自分の子供なら、何かあった時、頑張れるけれど、養子の子供だと、絶対に頑張れる自信がありません。
この考えは外国人と話すときは、非常に気を付けないといけないテーマのような気がします。
養子についての非常に興味深いLIONという映画がありますので、時間あれば、ご覧になってくださいね♪