みなさんこんにちは。ともちんです。
シリーズで「発達障害について、整理してみましょう」というテーマを書いています。
佐々木正美先生の「子どもへのまなざし 完」を参考にさせていただいています。
前回のお話はこちら。
そして、以下の中から①〜④について考えてみました。
①目で見て理解する力が強い
②話し言葉が苦手
③一つに一つの理解
④時間と空間の意味が理解できない
⑤見る範囲が狭い
⑥感覚機能の違い
⑦一度に一つの理解
⑧同時総合機能が働きにくい
⑨想像する力が弱い
⑩ものごとを忘れることができない
⑪素直で正直で一直
(『子どもへのまなざし完』より)
今日は、⑤見る範囲が狭い について書いてみたいと思います。
子どもと公園に行くと、大抵の子は開放的になってワァーっと駆けて行きます。
自閉症の子の中には、座り込んで目の前にあるものに集中していたり、延々と土は水の落ちる動きに見入っていたりします(もちろん個人差もあるのでしょうが)。
自閉症の人の特性に、関心とか認識というものが、せまいところに強く向かうということをお話しましたが、これをシングルフォーカスといいます。
(中略)大きな公園など広々したところへ行っても、景色を広範囲に眺めている自閉症の人はめったにいません。(p219)
ひとつのもの、例えばハンマーを差し出された時、自閉症の人は、
「まずは方形の鉄のかたまりだけに目がいき、
そのつぎに、そこに木の棒が横たわっていることに気がつきます。
鉄のかたまりと木の棒がつながった性質のもので、
全体の形が統合的に理解されるのはそのあとで、その名称のハンマーにたどり着くことができるのは、さらにまた、そのあとのことなのです」
見たものをそのまま記憶する力は非常に長けているのですが、
「Aのハンマー」を記憶した後に、「Bのハンマー」を見せても、「Bはハンマーである」という結論にたどり着くのは難しいらしいのです。
ですから、③で「一つに一つの理解」ということを考察しましたが、物の名称についても同じで、「一つのものに一つの名前」という方が自閉症の人にはわかりやすいようです。
たまちゃんという名前の猫、ミケちゃんという名前の猫、クロちゃんという名前の猫…というようには覚えられても、一般的な猫の写真を見せて「猫である」というようには簡単にはつながらないということですね。
これは私もこれまで配慮したことがありませんでした。
今度からは、たまちゃんは猫だと知っているから、一般的な猫のことはわかっているだろうという思い込みを捨ててみようと思います。
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