こんにちは。
最近転職をしまして、今児童発達センターで働いております。
以前働いていた児童発達支援事業所とはまた雰囲気が変わって、また、館内にもいろいろな工夫がしてあり、感心しながら過ごしております。
さて、今日はもう一度発達障害とは何かを書いてみたいと思います。
発達障害について、初回で書いたのですが、なんだかいまだにスッキリしない感があるので、ここでもう一度整理してみたいと思います。
参考文献として、私の尊敬する…というか、子どもに関わった経験のある人なら大概は一度は文献を読んだことはあるのではないかという佐々木正美先生の本から引用しながら書きたいと思います。

『子どもへのまなざし』は親や保育者のバイブルとも言える分厚い本ですが、優しい語り口調で書かれており読みやすいです。
全3巻で完結ですが、今回は発達障害について詳しく書かれている第3巻目を参考にします(2011年初版発行、2014年第七刷発行)。
ちなみに、佐々木正美先生は、自閉症の療育支援プログラムであるTEACCHを日本に初めて紹介し、30年近く共同研究をされてきました。
そのお人柄はもちろんのこと(お会いしたことはありませんが、文章の優しさから)、臨床や研究も第一人者の方で、文章に説得力があり、多くのファンがいます。
何かの本で、ご本人のお母様も発達障害だったと書かれていたような気がします。子育てに対して非常に真面目で、真摯に取り組まれた優しいお母様だったようです。
では、本題に移りますね。
そもそも発達障害とはなんなの?
ですね。
発達障害とは、子どもが成長していく過程で、なんらかの理由で心身の機能の発達が困難な状態を言います。
ふつうの子どもの発達にくらべて遅れているところはありますが、遅れていないところ、それどころか、すぐれた能力を発揮するところもあり、単純に、発達が遅れているというわけではありません。(p168)
また、知的障害をともなう発達障害もありますが、一般には、知的障害とははっきり区別されるものです。(p168)
と、書かれています。
そして、佐々木先生は、
発達障害群の中に、
★広汎性発達障害
●自閉症
●高機能自閉症(知的な遅れはないが言葉の遅れがある)
●アスペルガー症候群(知的な遅れも言葉の遅れもない)
→●のものは、現在ではまとめて自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)と言うのが一般的になってきている。
○レット症候群
○小児期崩壊性障害
★注意欠陥多動性障害(ADHD)Attention-Deficit/Hyperactivity-Disorder
★学習障害(LD)Learning-Disability(ディスレクシア、ディスグラフィア、算数障害などがある)
と述べています。
ただ、それぞれの特性が重なり合っている場合も多く、どの特性が強いのかはその子によるので、佐々木先生は、これら発達障害群を全てひっくるめて、”発達障害スペクトラム”と呼ぶ方がわかりやすいのではないかと提言しています。
たとえていえば、風邪みたいなものですね。
せきの強い風邪もあれば、鼻水がでる風邪もあるし、熱が高い風邪もあります。
たしかに、せきがひどいときには、せきどめを処方するとか、熱が高いようだったら熱を下げる薬を出すことがあります。
だけど、風邪症候群としては、治療は基本的に変わりませんから、ひとくくりにしたほうがいいと思うのです。
そのうえで、一人ひとりの症状に合わせて、個別に治療していくことが大切です。(p170)
と述べられています。
ですから、「発達障害」と聞くとその実態を分別、整理したくなりますが、いろいろな要素が重なり合っているスペクトラム(連続帯)ということです。
ただ、共通して言えるのは
「脳の多様な機能を同時総合的に働かせることがうまくいかない(p171)」ということ
だそうです。
では、具体的にどんな症状が出ているのか?
どんな理解や支援が必要なのか?
ですが、このことが一番重要だと思いますね。
最近見つけた小学校四年生の子が書いた文章が秀悦だったのでご紹介しますね。
次回、また佐々木先生の本も参考にさせていただいて噛み砕いてみたいと思います。
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