
(2017年 ねぶた大賞 北村麻子 「紅葉狩り」)
みなさん こんにちは。
番外編でねぶた祭りについて書いております。
今回はねぶた師についてです。
ねぶたの山車のほとんどは、ねぶた師の呼ばれる人たちがデザイン・設計して、スタッフとともに制作しています。
構想を練るところから考えると一年のほとんどはねぶた制作に関わっていることになります。
細いところは工房でできますが、作業が進んでくると港に建てられるねぶた小屋というところで制作を行います。
このねぶた小屋は五月の半ば頃に建てられるので、その頃から祭りまでねぶた小屋を除くと制作途中のねぶたを見ることができます(閉まっているところは勝手にのぞいてはいけません)。
スタッフの求人が出ている時もあり、ねぶた師を志す人が弟子入りしたり、または長年手伝っている気心知れたおばちゃんなんかが作業していることもあります。
さて、最近話題になっているねぶた師と言えば…
目次
北村麻子〜実力と華やかさを備えた女性ねぶた師〜
そうです、北村麻子さんですね。
北村麻子さんは、第6代名人北村隆さんの娘さんです。
史上初の女性ねぶた師というだけで注目されるのに、名人の娘、そして、2012年のデビュー作でいきなり優秀制作者賞(実質2位か3位)を受賞したのです!!
この時の作品は、私は前情報が全くなく拝見したのですが、「すごくいいねぶただな」と思いました(嘘じゃないですよ笑、本当にそう思ったのです)。
人物の首の傾げる角度や色使いがとても妖艶で、誰が作ったのだろう??と思いました。
一昨年、最高賞であるねぶた大賞を受賞されましたが(これも本当にすごいことなのですが)、私はデビュー作である「琢鹿(たくろく)の戦い」が印象に残っています。

そして、何より美人さんなので、メディアからの取材が耐えないといった感じです。

麻子さんのねぶたはスタンダードなのに垢抜けていて、大好きなのですが、私の一番好きなねぶた師さんは、
竹浪 比呂央(たけなみ ひろお)〜ハイセンスな異端児〜

です。
竹浪さんは、昨年ねぶた大賞を取り、最優秀製作者にも選ばれました。
毎年何かしら受賞している常連でもあります。
竹浪さんは、ねぶた師にしては珍しく(?)何かお洒落なんですねえ。
そのちょっとお洒落な感じがねぶたにも表れています。
なんて言うのかなあ。
伝統的な、見慣れた面ではないのですよ。
でも美しいわけです。構図とか色使いなど、新しいことを試しておられる感じがします。
そして、活動でも新しいことをされていて、「竹浪比呂央ねぶた研究所」を設立しています。
これは、収入が不安定なねぶた師の生活基盤の確保と弟子の育成のために作られたもので、ロゴや建物もやたら洒落たものになっております(余談ですが、7月頃にこの研究所の近くを歩いていたら、竹浪さんを拝見しました。ラッキー)。
ねぶた師のイメージは、確かに貴重な文化の担い手で尊敬される面もあるけれど、収入という点では厳しいものがあると思います。
賞を取って複数のねぶたを手掛けるねぶた師はまだしも、一台のねぶたを作るだけだとスタッフへの給料などでお金が飛んでしまいます。
それを美徳とする文化もありますが、それだと後進が育ちません。そこを打開すべく建てられた研究所で、ねぶたを題材にした雑貨屋やインテリアなども作り出しています。また、海外で制作を行ったり、講演や執筆活動を行ったりしています。
私の想像ですが、ねぶた師というと典型的な職人肌の朴訥な方がしているイメージで、竹浪さんのような新しい風を入れる人は煙たがられたりすることもあるんじゃないかと思います。
それでも、ねぶたを後世に伝えたい、その想いから活動をされ、大賞を取る実力も兼ね備えておられるところも素敵です。
でも一番好きなのは、そのハイセンスな美しいねぶたです。
好みは分かれるかも知れませんが、私は竹浪さんのねぶたが一番好きです。
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