「ペリリュー 楽園のゲルニカ」戦争について考えるための本

ペリリュー楽園のゲルニカ




みなさんこんにちは。ともちんです。

8月15日の終戦記念日を前に、戦争ものの漫画の広告が目につくようになりました。
やはり戦争の話は恐ろしく、胸が痛むので、普段はこういう内容にはなるべく目をふせておきたいと思うのですが、一年に一度くらいは意識してみようと購入しました。

昔、クリントイーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」を見たのですが…
うう…
胸が苦しい…

極限状態の中でも人間性を失わずに尊敬されながら死んでいった方達のことが題材でも、それ以上に恐怖の中の狂気に押しつぶされそうになってしまいます。

とは言え、全く無知に過ごすこともしてはいけないと思うので、自分の器の範囲内で戦争というものを知らなければならないような気もするのです。

さて、前置きが長くなりました。

この漫画は、太平洋戦争末期のペリリュー島(現在のパラオ共和国)。
この時代、パラオを含む南洋諸島は日本の統治下にありました。
しかし太平洋戦争が始まり、敗戦を重ねる中で、昭和19年にはマリアナ諸島(サイパン・グァム・テニアン島)を占領されます。米軍の次なる標的はフィリピン。これは日本本土への攻撃を可能にするためです。
その足がかりの場所となるペリリュー島。
そこを攻略することはアメリカ軍にとっても重大な課題であり、日本軍にとっても絶対に死守しなければならない場所でもありました。

このペリリュー島での戦いが描かれた漫画です。

まずは、その可愛らしい絵柄に少し驚きます。
そして、読み進めると、絵とは裏腹の壮絶な内容にまた驚きます。
物語としては大きく三つに分かれているかと思います。
まずは、開戦前夜。
そして、戦闘真っ最中。
最後に、玉砕を禁じられた日本兵が終戦が分からずにジャングルで生き延びる場面。

そのどれもに、正気と狂気の狭間で、主人公・田丸が翻弄されながら震えながら等身大で戦場に身を置く様子が描かれています。

そもそも、登場人物たちの年齢を見ると、とても若いのです。
ほとんど20代前半の、大学生のような人たちが戦場で死と向き合わなければならないのですから、胸が苦しくなります。

この漫画の特徴である、可愛らしい絵柄が戦場の恐怖を助長させている気がします。
喜び勇んでお国に忠義を尽くさんとする劇画チックな精鋭ではなく、主人公・田丸のように、普段、日常で出会ったことのあるようなほんわかした若者が、戦争の渦に呑み込まれていく様。

「戦場で、ひとりひとりがどう感じているか」

そのリアルさがこの作品の真骨頂だと思います。

去年NHKでこの漫画の特集がされていました。

「具体的な人を描いていきたい
ひとりひとり」
(引用:太平洋戦争の激戦・ペリリュー島を描く・NHK報道)

www.nhk.or.jp

このように作者の武田一義さんが話されていましたが、実際にペリリュー島で生き残った元兵士の方の話を聞いたり、パラオに何度も足を運んだりして、入念に取材をされながら描かれている作品だということです。

現在第7巻まで出ているこちらの作品。
7巻は終戦のあたりの内容となっています。

終戦を知ることなく潜伏を続ける主人公らが、どのように過ごしていくのか…次巻がとっても気になります。

「おもしろい」と軽々しく言えるような内容ではないのですが、ページをめくる手が止まらない、そんな作品です。




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